描述
【竜の大聖堂】
14世紀初頭、世界は暗黒時代に向かっていた……竜の力が失われたのだ。
かつて、11世紀あたりに繁栄を極めた「世界宗派」である「竜派(竜を信仰する宗教)」があった。
その時代は、3大国の「ウェルド(高地の国 )」「アルジョン(銀鉱山の国 )」「ミーア(海の国 )」がそれぞれのドラゴンを所有し、その絶望的に強大な力により、世界は均衡を保っていた。
ゆえに大きな戦も無く、世界は色彩に溢れ、人々は飢えず、暮らしも豊かであった。
だが、ある時ミーアのドラゴンが突如として“失われ”たのを皮切りに、時代は暗転することになる。
世界は大戦に突入し、ウェルドとアルジョンの2大国が「ドラゴンの大火」を駆使して、互いが燃え尽きるまで戦い続け、世界は「灰に包まれた闇の時代」を迎えた。
大戦から300年、災いの源となった“ドラゴン”は禁忌の言葉として、口にする事さえも恐れられるようになっており、人々は怯えと仄暗い闇の中で細々と生きていた。
その中で「アルジョン(銀鉱山の国 )」の大国の片隅に、いまだに「最初のドラゴン =始祖の竜」を信仰し、その帰還を願う密教派が存在した。
その中心地が「竜の大聖堂」である。
そこは人里離れた土地に隠れるように存在し、並の人間は近寄れない特異な聖地であった。
隠密といえども、その大聖堂は天を貫くほどに高く、その姿は「竜の再来」を待ち望むようにも見えた。
それでいて、かたわらの岩山の陰に完全に隠れるように建てられており、その岩山と聖堂の造り出す姿は、人々に「片翼を広げた銀竜の姿」を思わせたと言う。
An original work depicting the dark fantasy world.
“The Dragon’s Cathedral”